家づくりは多くの人にとって一生に1度の大事業。
「そろそろ家を建てたい」「家族が出来たからマイホームを」と考え始めるも、「何から手をつければいいの？」と当社にも日々相談に来られます。
今回は、業界約50年、約800組のご家族の理想の家を設計した当社代表熊田が、経験を踏まえ「失敗しない家づくりのポイント」をご紹介します。
ぜひ、参考にしてくださいね。

｜後悔しない家づくりの成功は「コンセプト」で90%決まる。

「理想の家」はそれぞれの家族にとって異なります。
家を建てる際に考えるポイントは、SNSや雑誌などでたくさんの情報を得ながら、「これも欲しい」「あれもいいかも」と思いつくままにアイデアを追加していくと、家のコンセプトが見失われてしまうことがよくあります。
このような認識を持たずに進めると、コンセプトに合わない無駄な費用が発生したり、思いつくままに進めると理想とかけ離れた家になってしまうことがありますので、注意深く進めていくことが大切です。

コンセプトを明確にするメリットは次のとおりです。

● 理想の家のイメージを工務店やハウスメーカーに共有できる
家づくりには、営業や設計、工務店など多くの人が関わるもの。イメージが正確にできていることで同じ方向に向かって進むことができます。

● 統一感のある家づくりができる
逆に、コンセプトを決めず希望を取り入れ続けることで、家全体にまとまりがなくなり、歪な空間になる可能性が高くなります。

● 迷ったときの指標になる
多種多様な外壁や床材、家具など、どれを使用するかを常に選択していく必要がでてきます。コンセプトが明確だと迷わず取捨選択が出来ます。

家族が望む家を予算や時間に制限のある中で実現するためには、
“建てる理由と目的”＝”コンセプト”
を一致させた設計が必要不可欠です。

具体的な目的に合わせた家の設計をするために、建てる理由を明確にすることができれば、家族にとっても楽しく納得しながら進めることができるかけがえのない時間にもなります。

｜コンセプトを明確にする手順

次にコンセプトを整理していく流れをご説明します。

① まずは大切なことや実現したいことを列挙する

建てる家は、これから長く暮らす居場所になります。
家族の家づくりで”大切なこと”や”実現したい”ことを、制限を設けず思い思いに書き出してみましょう。
もちろん、地震に強く、快適な温度など基本的な性能は踏まえましょう。
ポイントは『今だけでなく長いスパンで考える』ことです。
家族の変化やイベント、自分の老後、天候や天災やメンテナンス、そしていつかは来る解体撤去処分の時まで。

② 順位を考えよう

全て書き出したら、それらに優先順位をつけていきます。
当社で推奨している優先順位３つに分けていますので、参考にしてみてください。

Ⓐ最重要な事柄：
家族の理想の家として必ず実現したいこと、譲れないこと。

Ⓑできれば実現したいこと
予算や条件次第であるけれど出来れば実現したいこと

©その他：
重要事項ではないけれど実現したらいいなと思うこと

これらの優先順位を決めておくことで、家族や関係者との調整がスムーズに進み、理想の家を実現しやすくなります。

｜当社施工住宅のコンセプト事例

自然工房で施工した実際の住宅のコンセプト事例をいくつか紹介しますので、ぜひコンセプトづくりの参考にしてみてください。

▶︎ 生活の不便をなくして合理的に快適に過ごす家

▶︎ ネコたちと快適に暮らす家

▶︎ 高齢者が冬も夏も快適に過ごせる、健康で安心した老後生活をおくれる家

▶︎ 夏は無冷房、冬は薪ストーブで家中快適に暮らせる木の家

｜コンセプトを大切にしよう

右か左か方向に迷うとき、コンセプトは心強い指針になります。

それぞれの家族の「理想の家」を建てるために、自由な発想でのコンセプト選びを楽しみたいものですが、子供の成長や人数の増減など、日々の暮らしの変化や、いずれは「終の棲家」になる可能性までをも見越して、コンセプトを決めることは非常にむずかしいことです。

そんな時に私がおすすめしているのは基本性能（地震、災害につよい、雨風雪から家族を守り、暑さ寒さから家族を守り快適に過ごせ健康的な家、気候風土にあった長持ちする設計、メンテナンスやランニングコストが少なく経済的）を押さえる事。家族が快適でいつまでも健康で安心して暮らせる家である事は、コンセプトにどんな違いがあっても変わらない大切にしたい事であると思います。

各工務店やハウスメーカーなどで大切にしていることが違いますので、「基本性能はあまり考えず自由な発想や夢を実現しょう！！」という方もいらっしゃるかと思いますが後でとんでもない出費が発生したり、使いにくかったり将来反省しなくてもいいように。

ぜひ、当記事を参考に家づくりを進めてもらえましたら幸いです。
また、「コンセプトが決めれない」「まとまらない」などございましたら、ご相談ください。